授業紹介 -取るだけでお腹の空きそうな授業-

東大

こんにちは。
ヴィオラパート3年のYです。お腹が空いてきました。
今日は、私が今取っている授業の中で、一番好きな授業を紹介したいと思います📕
私は経済学部に所属していますが、今期一番好きな授業は『フードシステムⅠ』です!
なにやら美味しそうな名前ですね!空きっ腹には辛い授業です()
月曜2限と木曜2限に開講されているので、ちょうどお腹が空いてしまいます。

「フードシステム」ってどんな授業?

フードシステムと聞くと、「食べ物について学習するの?」「農業でもやるのかな?」という疑問を持つ方もいるかと思います。
フードシステムとは、「食料農水産物が生産され、消費者にわたるまでの食料品のの流れ」全体をさします。
そのうち、この講義ではその流れの下流の「消費者」に焦点を当て、心理学の視点から消費者行動に関する基本概念の知識習得を目指します。
用いる研究の題材はずばり「食」です!「食」を切り口に消費者行動について分析していきます。
それでは内容の一端を紹介していきます。

胎児の頃から好き嫌いを減らす!

まずは、「単純接触効果」についてです。
「単純接触効果」とは、「ある対象に反復して接することで、その対象への好意度が高まる現象」のことです。
例えば、毎日牛乳を飲んでいると、いつのまにか牛乳が好きになるといったような効果です。

実は、この単純接触効果、胎児期の頃から起こる効果だそうです!
妊娠中の母親を3つのグループに分けてある実験が行われました。

A.胎児群:ニンジンジュースを妊娠後期の間、積極的に摂取
B.授乳群:ニンジンジュースを授乳中に積極的に摂取
C.統制群:ニンジンジュースについて特に支持なし

それぞれの子供が生後6ヶ月になった時に、離乳食としてニンジン味のシリアルを食べてもらったところ、子供のシリアルの摂取量は胎児(A)>授乳(B)>統制(C)という結果になりました。

なぜこのような結果になるのか?
実は、母親の子宮の中にいる胎児は、感覚機能を順次発達させており、胎齢27週ごろからは嗅覚反応が発達します。
羊水の味・においには母親の食事の風味が移行しており、好みが移るのだそう。

消費者の「妥協」によって利益アップ!

A定食…1,000円
B定食…2,000円

の2種類のメニューを出しているレストランがあるとします。
客のメニュー選択率は

A定食…50%
B定食…50%

でした。

レストランの店長は売上を上げたいと考え、新たに3,000円のC定食をメニューに追加しました。

するとあら不思議、以下の通りC定食ではなくB定食の選択率が上昇、売上アップに成功したのです!

A定食…25%
B定食…70%
C定食…5%

これは「妥協効果」とよばれ、第3選択肢の追加により、全ての選択肢がトレードオフになったときに、中庸(真ん中)の選択率が上昇する効果のことです。
これには、消費者の「極端な選択肢を選んで、美味しくなかった際に損をすることを回避したい」という心理や、中庸な選択肢を選ぶという意思決定の容易さが表れているとされます。

IKEA効果によって愛着上昇!

みなさんはIKEAをご存知でしょうか?
渋谷や原宿にもある、スウェーデン発祥のインテリア用品店ですね。

渋谷センター街のIKEA

IKEAでは家具を自分で組み立てることがあります。
ある実験では自分で組み立てた製品と他者が組み立てた製品に対して支払っても良い額を答えさせたところ、自分で組み立てた製品の方が金額が高かったそうです。
自分で組み立てた商品についてより心理的所有感を感じ、それによって価値が上がる、これをIKEA効果とよびます。

これは、食品についても見られる現象です。
料理については、他者から提供される場合と自分でつくる場合がありますが、子供(5-7歳)を対象にした実験で、子供は自分で準備した食事(サラダ)を他者が準備した食事よりもより多く食べるそうです。
子供の野菜嫌いの克服にも役立ちそうですね!

いかがだったでしょうか?
このように、フードシステムでは自分にも当てはまりそうな研究内容が豊富に紹介され、思わず共感しながら授業を受けてしまいます🍔

S2タームも月曜2限・木曜2限に『フードシステムⅡ』が開講されているので、興味のある方はぜひ取ってみてください!

サマーコンサート2023神奈川公演へのご来場もお待ちしています!

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